デイリーレポート(2022年8月30日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けのドル円はジャクソンホールでパウエルFRB議長講演が予想通りタカ派に振ってきたものの、今後の数字次第で更なる引き締めと長期化につながるのではとの見方からドル一段高の動きとなりました。東京後場には139.00レベルの高値を見ましたが、ユーロドル上昇に引っ張られNY朝方には137.56レベルの安値をつけました。しかし引けにかけては改めてドル買いの動きとなり138円台半ばでの引けとなっています。

ユーロドルは東京昼過ぎまではドル買いの動きとなっていましたが、前週同様に0.99台前半で下げきれず、欧州市場では買い戻しも出る中で欧州天然ガスが下げたこと、またEUとして電力市場への介入を準備との報道でユーロは一段高となり、1.0029レベルまで買い戻された後はパリティ近辺でもみあいのまま引けました。

ドル円は先週あたりからは着実にドル買いポジションを積み上げる向きも見えていたことから138円台後半では利食い売りも出ていましたが、下がったら買いという流れにも変化は無いため、138円水準では既にドル買いオーダーが入っていると見られます。ただ年初来高値更新にはもう少し時間が必要そうです。

ユーロは悪材料が多い中でエネルギー市場にようやく調整の売りが見られたことやEUの電力緊急介入のヘッドラインを好感して買い戻しが目立ちました。9月ECB理事会での0.75%利上げの可能性も出ていますが、目先の最大のテーマは明日からの点検によるノルドストリーム停止と9月3日に再開するかどうかです。結果次第で欧州天然ガス市場が荒れるでしょうし、それによってユーロも新安値を見に行く可能性はあり注意が必要です。

本日は基本的に昨日のレンジの中でのもみあいを考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  138.00〜139.00
 ユーロ  0.9960〜1.0040
 ユーロ円 138.20〜139.20



配信日:2022年8月30日