デイリーレポート(2022年8月15日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京前場は前日NY市場の流れを受けてドル買いが先行、日経平均大幅高も手伝って133円台半ばまで上昇。後場にはやや押しが入っての欧州市場入りとなりましたが、ドル買いが根強くNY朝方に133.89レベルの高値をつけました。引けにかけてはやや売りも出て133円台半ばに押して引けました。

ユーロドルは東京市場では若干の上下はあったものの横ばい、欧州市場に入りドル円のドル買いに引っ張られる形でユーロ売りの動きとなりました。NY市場ではドル円の動きが横ばいとなったのに対してユーロドルは続落し、NY昼前には1.0238レベルの安値をつけ、引けにかけては若干戻して引けました。

ドル円は8月第1週は雇用統計で急騰、先週はCPIで急落と相変わらず激しい値動きを繰り返していますが、そうした中で目立ったのが複数のFRB関係者によるタカ派発言でした。最初に明確にFRBの方向性に言及したのはメスター・クリーブランド連銀総裁でしたが、来年前半まで利上げを継続し、その後いったん停止という時期と方向性を示し、緩和への転換はインフレ目標である2%台を数か月継続する必要があると、現時点での市場参加者による来年前半にも緩和転換という思惑を否定しました。

このことから考えられるのは政策金利が高止まりする時期が長く、仮に長期金利もその動きに引っ張られやすいとするならば、為替市場では実際に景気後退の動きが見えてくるまでは簡単にドル売りには動きにくくなりそうだということでしょうか。

当面は先週のレンジ(131円台後半から135円台半ば)の中で、ドル円は下がったところでのドル買いが出やすい動きになってくるのではないかと考えています。ドルが買われやすい動きはユーロドルでも同様でユーロは戻り売りが出やすい流れを考えています。本日は早朝は下げから始まっていますが、ドルの押し目買いを考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  132.60〜133.70
 ユーロ  1.0230〜1.0295
 ユーロ円 136.25〜137.05



配信日:2022年8月15日