デイリーレポート(2022年8月12日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

2日間の動きを簡単に振り返っておきます。10日は米国CPI発表を前にNY市場までは若干上値が重たい動きとなっていましたが、CPIが年率8.5%と予想よりも低く、前回でピークアウトしたとの見方が広がりました米金利が下げる動きとともにドル円は急落し132円目前まで下げた後に133円近辺での引けとなりました。

東京が休場となった昨日は東京放り前までは買い戻しが続き133.31レベルの日中高値をつけましたが、前日の急落を見た後の戻り売りも根強くNY朝方まで売りが継続し弱いPPIも手伝って131.73レベルと前日安値を更新しました。しかし、米金利が上昇に転じ7月22日以来の2.9%台まで上昇する動きとともに133円台に乗せて引けました。

ユーロドルも基本的にドル円と同様の動きで10日は米国CPIまではドルじり安の動きからユーロドルはじり高、CPI直後には1.0369レベルの高値をつけ、引けにかけては1.03水準へと押して引けました。昨日のアジア時間には1.0275レベルまで水準を切り下げていましたが、欧州勢参入とともに買いが強まりNY朝方には1.0364レベルと前日高値に迫りました。引けにかけては米金利上昇の動きとともに1.03近くに押して引けました。

米ドルは先週の米国雇用統計で上げた分を今週のCPIで下げた動きですが、CPIがピークアウトしたとしても依然として8%台にあり、FRBが目標とする2%とはかけ離れています。先週以降の複数の地区連銀総裁によるタカは発言は、インフレが目標に収まるまでは引き締めの手を緩めず、数字次第では市場参加者の思惑以上に利上げを実施する可能性を示唆しています。

現状では9月FOMCで0.5%か0.75%かの判断はできませんが、今後の数字次第では0.75%の可能性も高く、おそらく短期的にはドル買い要因となりやすいものの中長期的には急速な引き締めによる景気後退と株安を招きリスクオフの動きに向かっていくのではないかというのが現時点での見方です。

ドル円は131円台後半から132円の水準でダブルボトム、ユーロドルも1.03台半ばでダブルトップをつけた格好となっていて、材料的にもテクニカルにも目先はドル買いに動きやすい流れにあると言えそうです。本日はドルの押し目買いを考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  132.70〜133.70
 ユーロ  1.0260〜1.0335
 ユーロ円 137.00〜137.80



配信日:2022年8月12日