デイリーレポート(2019年10月23日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けからの動きをざっと振り返ります。

月曜のドル円は週末に行われた英国議会におけるブレグジット案の採決は先送りとなったことを受け、早朝こそリスクオフの円買いが先行しましたが、リスクオフの週明けは戻すといういつものパターンを踏襲しその後はじり高の展開を辿りました。欧州市場に入り108.67レベルの高値をつけて以降は後が続かずいったん下押し。NY市場ではNEC委員長が米中協議の進展次第で12月の追加関税は取り下げるとの発言のに再び高値圏に近づいて引けました。
いっぽうユーロドルは東京市場では思いの外動きが鈍く、欧州市場で北アイルランドDUPがブレグジットについて話し合いの姿勢を見せたことから買いが入り一時1.1180レベルと金曜高値をわずかに更新しました。その後は高値圏でのもみあいが続きましたが、NY市場ではドル買いの動きに押されて日中安値を更新したものの値幅は限定的なものとなりました。

東京が休場となった昨日のドル円は、朝方の参加者が少ない時間帯に株価指数上昇をきっかけとしたドル買いから前日高値をやや上回る108.73レベルをつけましたが、その後は前日のポジション調整もあり、高値安値とも少しずつ切り下げる展開が続き、2日掛けての行って来いといった値動きとなりました。
いっぽうユーロドルは英国議会でブレグジット関連法案の審議が続く中で進展が見られず、NY市場まではポンドの下げとともに上値の重たい展開が続きました。NY市場ではジョンソン首相の離脱の短期延期受け入れの発言から買い戻しも見られましたが、短期審議の動議が否決され10月末の離脱の可能性がほぼ無くなったことから反落、ポンドの下げとともに1.1118レベルまで水準を下げ安値圏での引けとなりました。

ドル円は目立った材料が無い中で108円台前半の買いと後半の売りとに挟まれ方向感が出にくい流れが続いています。またブレグジットがどうなるか、再びボールがEU側に投げられ、おそらく離脱延期を認めることになりそうですが、EU側での検討結果が出てくるまでは動きにくいということもあります。そうした中で強い日経平均株価(ならびに海外での日経先物)の動きが、ドル円のリスクオン材料となっていますが、昨日のシカゴ(GLOBEX)では22800円台を見てから反落していることもあって、そろそろ息切れしそうな気配もあります。本日はも材料難の中で昨日の流れを受けやや上値が重たい展開を考え、108.65レベルをレジスタンスに108.25レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルはユーロ材料としては明日のECB理事会がありますが、ドラギ総裁にとっては任期最後の理事会となり、11月からはラガルド次期総裁にバトンタッチされることもあって、今回の理事会では市場に影響を与えるような内容が出てくるとも思えません。そうなると、EUがブレグジット延期要請に対してどのような判断を下すのか、また英国議会で合意案とそれに伴う関連法案の審議が進んでいくのか、悪材料とも断言はできないものの、どちらかと言えばこれまでの楽観的な見通しで買ってきた向きの利食いを誘う流れにあると考えられます。本日も上値が重たい地合いが続くと見て、ユーロドルが1.1100〜1.1140、ユーロ円は120.40〜120.90とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf



配信日:2019年10月23日