デイリーレポート(2019年10月21日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はNY市場に入るまでは108.65レベルでのもみあいを続けまったく動意薄の状態が続きました。ユーロが欧州市場で底堅い動きとなっていたことから上値の重さは感じさせましたが、NY市場に入りダウが下げる動きとともにドル売りへと流れドル円も108.38レベルの安値をつけ安値引けとなりました。いっぽうユーロドルも東京市場ではまったく動きが見られませんでしたが、欧州市場では前日高値を上抜けた水準でストップ買いが見られました。その後のNY市場ではドル円同様にドル売りの動きとなって、ユーロは1.1172レベルまで高値を切り上げ高値引けとなりました。

週末に行われた英国議会におけるブレグジット案の採決は先送りとなり、ジョンソン首相は離脱期限を来年1月まで延期することをEUに要請、EU側は検討というのが週明けスタートの状況です。先週末にはマクロン大統領が延期は認めるべきではないといった発言をしていることから、やや不透明な部分はあるものの1月末までの延期が認められれば英国議会で関連法案をまとめた上で離脱という流れになるのですが、これまでも混乱の元凶とも言える英国議会がすんなりと受け入れるのかどうかは混沌としているとしか言えません。早朝のポンドは主要通貨に対して売られ、ポンドドルは1.29台後半から1.28台後半へと100pips程度の下げとなっていますが、思ったよりは冷静な動きをしている印象です。ひょっとすると、いつもの週明けパターンで、材料とは逆の動きという可能性もありますが、そうであるならば逆バリを考えたいです。

ドル円は相変わらず冴えない動きを続けていますが、堅調な日経平均株価がリスクオンとして作用するいっぽうで、ダウの下げやますます混沌としているブレグジット問題がリスクオフとして作用しています。ただ、先週までの円安の動きには多分にブレグジット合意による対欧州通貨での円売りがありましたが、その後の英議会での採決延期によって今週は利食えるうちにリグっておこうという動きが出てくると考えられます。特に週初はそうした動きが出やすいと考えていますので、本日は下押しを考え、108.55レベルをレジスタンスに108.15レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは金曜時点では週末の英国議会でジョンソン首相が過半数を集めた可能性についての思惑も広がっていましたので、ドル売りの動きとともにポンド買いからユーロ買いという動きも見られました。しかし、蓋を開けてみると過半数を取れずに採決延期となりましたので、これまでの欧州通貨買いの動きはいったん終わりと考えたほうがよいでしょう。それでも今朝のポンドの下げは落ち着いていると思いますが、ユーロドルも金曜でいったん目先の高値をつけたと見ています。本日は下げやすい地合いが続くと見て、ユーロドルが1.1120〜1.1170、ユーロ円は120円の大台を見たことで達成感もあり上値が重たい流れを考えて120.50〜121.10とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf



配信日:2019年10月21日