デイリーレポート(2022年8月5日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京朝方はNY後場の流れを受けてドル売りが先行したものの133円台半ばよりも下ではドル買いオーダーも見られ仲値過ぎには反転。欧州市場序盤には中国軍が台湾沖に複数のミサイルを発射し日本の経済水域にも着弾したことから一時的に円売りとなり134.42レベルの高値をつけました。しかし134円台半ばにはドル売りオーダーが見られたこと、米国がサル痘感染拡大を警戒し公衆衛生上の緊急事態を宣言したことからドル売りの動きが強まり132.76レベルまで水準を下げ安値圏での引けとなりました。

ユーロドルは東京市場では動かず、欧州市場に入り中銀MPCに向けてポンド買いhが入った動きにつられてユーロでも買いが先行しました。MPCでは0.5%利上げと予想通りでしたが年後半のリセッションに言及したことからポンドは下げ、ユーロドルもやや下げたもののユーロポンドの買いで下支え、さらにNY市場ではドル売りの動きも加わって1.0254レベルまで上昇し高値圏で引けています。

台湾に向けての中国の動きは今後も威嚇する動きは出てくる可能性はあるものの実際に攻撃ということになると欧米を中心に世界を的に回すこととなり、ロシアのウクライナ侵攻後の情勢から中国は威嚇以上の動きには出てこないと見られます。ただ日本の経済水域への着弾もあり、遠くの火事はリスクオフの円買いでも近場の火事は円売りにつながる可能性が高いため、円相場への影響には注意が必要です。

しかし昨夜には米国がサル痘に対して緊急事態を宣言するなど新型コロナの次の悪材料を警戒する向きも多く、引き続き米国も含めた世界的な景気後退リスクが材料として大きいとなるとドル売りの動きのほうが強くなるでしょう。

本日は米国雇用統計はあるものの、すでに完全雇用に近い中で一時的な動きはあっても流れを変えるようなものとはならないでしょう。現時点では全般にドルが変われる動きの中でカウンターでドル売りという動きとなりやすく、本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  132.15〜133.35
 ユーロ  1.0200〜1.0275
 ユーロ円 135.50〜136.60



配信日:2022年8月5日