デイリーレポート(2022年8月3日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はこれまでの円高の流れに加えペロシ下院議長の訪台計画に対して中国が反発したことから、米中間の緊張の高まりを懸念した円一段高の動きで始まりました。東京仲値過ぎには130.39レベルの安値をつけ、その後NY市場までは130円台後半を中心としたもみあいが続きました。しかし訪台後の中国の反応は軍事演習等想定内のものであったこと、また複数のFRB関係者が市場参加者による来年の緩和転換見通しをミスリードとしたことで米金利が反転上昇しドル円は133円台前半まで上昇し高値引けとなりました。

ユーロドルは東京後場までは底堅い動きをしていましたが、欧州市場序盤にドイツ国債の利回りが低下したことをきっかけにユーロ売りが出ると、その後はストップオーダーも巻き込んで一段安。NY市場ではFRB関係者のタカは発言による米金利上昇も重なってユーロドルは1.0166レベルまで下げて安値引けとなりました。

それにしても毎日よく動きます。これまでの円安地合いから急速に円高へとポジション調整が進み、短期筋が打っていたところにペロシ下院議長訪台のニュースで一時的に円買いが増えていたところに、FRB関係者のタカは発言による急反騰でかなりストップも出たと見られます。1日で3円近い値幅というのもかなり大きいのですが、このタイミングでFRB関係者のこうした発言が出てくるとは予想出来なかったと見られます。

本日は引き続き短期筋のドル売りポジション巻き返しで底堅くなりそうですが、133円台半ばから134円台半ばにかけてはドルを売りたい向きも残っているでしょうし、ペロシ議長訪台の影響もまだ見切れないことから、ドル買いに転じるというところまでは行かないと思います。

ユーロドルでもドル買いの動きがメインではありますが、元々欧州には悪材料があることから、ここからはユーロドルの動きに一段の注意が必要となりそうです。個人的にはどこかで一昨日までの動きに戻る可能性を考えたいところですが、今日のところは様子見で行きます。本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  132.50〜133.90
 ユーロ  1.0120〜1.0210
 ユーロ円 135.00〜136.25



配信日:2022年8月3日