デイリーレポート(2022年7月20日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

本日本文のみとなります。(チャートは原則として週初と大きな変化が見られた時に更新します。)

ドル円は欧州市場序盤までは前日の狭い値幅の中でもみあいとなっていましたが、ユーロドルに買いが入る動きを見てドル円でもドル売りの動きとなりました。NY市場が始まる直前には137.38レベルの安値をつけましたが、NY市場では株式市場に買いが入る動きからリスクオンの円売りへと影響し東京朝方の水準に行って来いでの引けとなりました。

ユーロドルは東京市場では動意薄の展開が続いていましたが、欧州市場序盤にECB関係者が今週の理事会で0.5%利上げも協議との発言が入ったことを受けて急速にユーロ買いの動きとなりました。欧州市場昼前には1.0269レベルの高値をつけ、その後は若干上値は重くなったもののNY市場では高値圏でもみあいのまま引けています。

ドル円はユーロドルでのドル売りの動きに影響を受けたものの、その後はリスクオンの動きから元の水準へと戻しています。今週はECB理事会の注目度が高いものの日銀会合もあり、今後のインフレや止まらない円安など総裁会見での発言により注目が集まります。それまでは基本的に方向感は出てこないと見られますが、短期的には先週の139円台で高値を見た感が強く、ユーロドル同様に調整局面入りとなっていきそうです。

ユーロドルはタカ派な発言に影響を受けましたが、ECB関係者は数が多いだけにタカ派だけでなくハト派メンバーもいます。ラガルド総裁は以前7月は0.25%利上げからスタートと発言していましたが、これが現状のECBメンバーの中でどのような立ち位置なのかを考えると若干ハト派寄りというところではないかと思います。景気後退リスクを懸念するか、景気が後退してもインフレ抑制を取るか、明日のECB理事会で0.25%なのか0.5%なのか、今後を占う意味でも重要な会合となるでしょう。結果が見えるまではユーロドルは高値圏でのもみあいとなりやすいでしょう。

本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  137.70〜138.50
 ユーロ  1.0200〜1.0280
 ユーロ円 141.10〜141.80



配信日:2022年7月20日