デイリーレポート(2022年7月11日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は株式市場とともに底堅いスタートを切りましたが、昼前に応援演説中の安倍元首相が銃弾に倒れるという日本では考え難い事件が発生し、株価とともに急速にリスクオフの動きとなりました。昼過ぎには135.32レベルの安値をつけましたが後場以降は落ち着きを取り戻し、雇用統計前には136円に近づいていました。雇用統計はNFPが予想よりも強かったことから米金利上昇とドル買いで反応し136.57レベルまで上昇後、引けにかけては136円水準に押して引けました。

ユーロドルは東京市場では動きが見られませんでしたが、欧州市場序盤に今後の欧州の景気後退懸念を嫌気してのユーロ売りがテクニカルな売りも引っ掛けて一時1.0072レベルの安値をつけました。しかし米国雇用統計前ということもあり急速に下げる前の水準へと戻しましたが、強い数字への反応は鈍くユーロドルはほぼ横ばいのままで週末を迎えました。

ドル円は東京前場の事件と米国雇用統計で上下ともに試した週末となりましたが135円台半ばの買いと136円台半ばの売りに挟まれ動きにくそうな引けとなりました。しかし、米金利は3%の大台を回復してきたことから、他に材料が無いと日米金利差をテーマとした動きに戻りやすく、週明けは早朝からドル買いが目立つ展開となっています。

またユーロドルも絶対的な金利差は拡大する方向ですからユーロドルの売りとなりやすいこと、また欧州景気後退が懸念ではなく現実のものとなるであろうことから、ユーロは今後も戻りが鈍くなるでしょうし、金曜は1.00台後半で反発しましたが、早晩パリティ(1ユーロ1ドル)を試したいという参加者は相当に多いはずです。今週も戻り売りが出やすいと見て良さそうです。

本日はドル高地合いの流れの中でドル円、ユーロドルともにどこまで動くかを見極める週初となりそうですから、以下のレンジを見ておくこととします。
 ドル円  136.10〜136.90
 ユーロ  1.0080〜1.0180
 ユーロ円 138.00〜139.00



配信日:2022年7月11日