デイリーレポート(2022年6月20日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

日銀会合を前に前日の下げに対する買い戻しが先行、昼前に結果発表があり現状維持が伝わると134.62レベルまで反発しました。その後も底堅い展開が続き黒田総裁会見では急激な円安に対する懸念は示されたものの反応は鈍く、NY昼前には135.42レベルの高値をつけ、やや押しての週末クローズとなりました。

ユーロドルはドル円でのドル高の動きに引っ張られる流れが続き、東京朝方の1.05台半ばからNY昼前の1.04台半ばまでじり安の流れが続きました。ただ、ドル円とともにユーロ円の買いも強かったため、ユーロドルの下げ自体はドル円に比べかなり穏やかな印象でした。

ドル円は前日までの円長期金利の上昇や国債先物相場での仕掛けっぽい動きを封じてきたことで、いったんは日銀の勝ちとなりましたが、今後も長期金利上昇思惑は根強く残るであろうことや財務省と日銀による円安懸念発言を考えると135円台を積極的に仕掛けていくことはやや難しい感があります。ただ日銀だけが緩和継続で、しかも市場を抑え込むことができるのであれば、長期的な金利差拡大による円安相場は続くと考えざるを得ないでしょう。

ユーロドルは値幅的には100pips程度の下げにはなっているのですが、ドル円が3円を超える上げを演じたことを考えると落ち着いた値動きです。ユーロ円でも日欧金利さ拡大が続き買われやすい地合いにあることから、ユーロ円の上昇圧力がユーロドルの下支えとして効いてくる展開は今週も続くと見られます。

本日は金曜の流れを継続しやすいと見てドル円とユーロ円は押し目買い、ユーロドルはやや上値が重たい展開を考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  134.50〜135.70
 ユーロ  1.0435〜1.0525
 ユーロ円 141.20〜142.50



配信日:2022年6月20日