デイリーレポート(2022年6月8日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

本日本文のみの更新となります。

ドル円は前日NY市場の流れを受けたドル買いが先行する中、黒田日銀総裁が参議院の委員会で大規模緩和継続に言及したことからじりじりと水準を切り上げ、15時過ぎには一時133.00の高値をつけました。米金利も東京後場に3.062%まで上昇していましたが、その後はNY後場まで水準を下げる動きとともにドル円も上値が重くなっての引けとなりました。

ユーロドルはドル円のドル高の動きに沿って欧州市場昼ことまではじり安の展開を続け、1.0652レベルまで水準を下げました。しかし9日のECB理事会に向けてタカ派な発言に期待する向きが多いことや、ユーロ円の根強い買いに支えられてNY後場には1.0714レベルまで買われて高値圏で引けました。

ドル円は円安が止まらず133円を見ることとなりましたが、こうなると2002年高値135.16レベルを見ないと気が済まないという感じになってきたようです。長期的にはまだ円安が続きそうではあるものの欧米同様に本邦CPIも今後急速に上昇する可能性もあり、そうなると日銀も大規模緩和の修正を迫られるかもしれません。すぐには無さそうですが、その時が円安から円高への大転換となるでしょう。

ユーロドルは明日のECB理事会で7〜9月期でゼロ金利へと戻り金利が正常化して以降の見通しについてECBがどのような方向性を示すのかが注目されますが、10〜12月期の市場コンセンサスは0.5%の追加利上げで年末時点で+0.5%を見込んでいますが、そのコンセンサスとの差異が注目されそうです。おそらくは市場コンセンサスからブレる発言はしないとは思います。

本日はドル円が引き続き底堅い展開、ユーロドルはイベント前で底堅いもののの積極的には動きにくい流れを考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  132.45〜133.45
 ユーロ  1.0670〜1.0720
 ユーロ円 141.60〜142.60



配信日:2022年6月8日