デイリーレポート(2020年3月11日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ダウ先物は開始直後こそ前日安値を更新する動きが見られたものの、その後は買いに転じ日経平均とともにじり高の動きとなりました。ドル円でもリスクオフの巻き返しが目立ち東京後場には一時105円台乗せとなりました。海外市場に移ってからは株価指数先物の上下に合わせ押しを挟みながらも上昇、105.22→103.22とNY市場前場までは大きな振れを伴っていましたが、NY後場にはトランプ大統領による景気対策や日銀によるETF購入枠拡大の思惑もあり、株式市場の上昇とともに105.92レベルの高値をつけた後に105円台半ばへと押して引けました。

いっぽうユーロドルは、基本的にはドル円とドルの動きを揃えドル高の動きからユーロドルも調整を挟みながら下げる展開となりました。またユーロ円がドル円と同様の動きとなったことからユーロドルの動きとしては打ち消す方向が目立ち、ドル円に比べると値幅は半分以下と比較的穏やかな一日となっています。

週明けの急速な円高で一時101.18レベルまで水準を切り下げたドル円ですが、2月につけた年初来高値112.23からの下げ幅は11円を超え、さすがに一波の下げとしては大きすぎる値幅です。ここ数年のドル円から考えると、ひょっとしたら年間の上下を見てしまったのではと思わせるほどの動きです。今年はまだまだ動きそうではあるものの短期的には安値も見たと考えられ、この間の下げに対する38.2%戻しは昨日達成し、半値戻しが106.71となりますので、当面は半値戻しがあったとしてもそのあたりでは売りが出てくる可能性が高いと言えそうです。2日続けて激しい動きとなっていますので、本日は参加者も相場疲れが出てくると見て方向感が出にくい一日となるのではないかと見ています。それでもレンジは1円以上を考え、104.20〜105.50とします。

ユーロドルは昨日のドル円の値幅が392pipsに対して183pipsとまだ落ち着きのある一日でしたが、ドルの動きに追随しやすいことを考えると、ユーロドルも短期的には高値をつけた可能性が高いと言えそうです。本日のところはユーロドルもユーロ円ももみあいを考え、ユーロドルが1.1270〜1.1360、ユーロ円は118.20〜119.30をそれぞれコアレンジとする一日を見ておきます。



配信日:2020年3月11日