デイリーレポート(2022年3月7日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

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金曜のドル円はNY市場まで115.40前後で全く動かず、雇用統計も上振れしたにもかかわらずドル円は蚊帳の外状態でした。しかしユーロ前面安の流れの中でユーロ円の売りがドル円でも円買いとなり、114.65レベルまで水準を下げた後に若干戻して引けました。

ユーロドルはロシア軍がウクライナ最大の原発を攻撃し制圧したとのニュースに地政学リスクから売られていましたが、エネルギー価格が一段と上昇していることから欧州の景気後退リスクも嫌気されNY市場に入っからは一段安、1.0886レベルまで売り込まれ、引けにかけては1.09台前半へと戻しました。

ドル円はユーロドルでのドル買いの動きから動きが鈍くなっていましたが、最終的にはユーロ円の売りに引っ張られた格好です。ウクライナ情勢はウクライナ・ロシア間の協議も隔たりが大きく早期の解決は期待できません。特にロシアは全ての要求を飲め、攻撃もやめないという無理筋を通そうとしていて、そもそも話にならない状態です。

このまま行くとウクライナを越えてNATO軍との衝突といった可能性もゼロとは言えないのかもしれません。理性あるロシア軍上層部がクーデターでも起こさないとロシア国民への影響も甚大なものとなりそうで、そうした動きもまた否定はできないでしょう。

金融市場に与える影響についてはユーロが全ての通貨に対して弱い流れは今後も継続、ドル円はドル買いの動きとユーロ円の動きとのバランスで動いていくこととなるでしょう。また株式市場は弱く、商品市場が強いという動きも変わりません。

本日は3主要通貨ペアともに上値が重く戻り売りの流れを考えて、以下のレンジを見ておきますが、ウクライナ情勢次第では荒れる可能性がある点については常に考えておくべきです。
 ドル円  114.65〜115.15
 ユーロ  1.0825〜1.0915
 ユーロ円 124.40〜125.40



配信日:2022年3月7日