デイリーレポート(2019年9月19日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はFOMCを控えてNY後場まで全く動きの見られない状況が続きました。FOMCは予想通り0.25%の利下げとなったものの、年内そして来年の追加利下げはFRBとしては現時点で考えていないことが明らかとなり、FOMCもまた材料出尽くしによるドル外で反応することとなりました。ドル円は引けにかけて108.48レベルまで高値を切り上げて高値圏での引けとなりました。いっぽうユーロドルは、東京市場から上値が重たかったところに、欧州市場序盤にユンケル委員長がブレグジットについて合意無き離脱の可能性にも言及したことで、ユーロにも売りが目立ちました。しかしFOMCを前にその後はポジション調整が入り下げる前の水準に戻してのFOMC待ち。FOMC後はドル買いの動きとなったことから欧州市場安値を割り込み1.1013レベルまで下押し後に若干戻して引けました。

ドル円は、相変わらずドル高基調が続いていますが、108.50レベルでようやく実需の売りも見えてきました。また本日の日銀会合では現状維持とは思われるもののECB、FRBと利下げに動いてきたこともあって、総裁会見では緩和検討についての言及がありそうです。ここで動かないとドル円は108円台前半での小動きに終止しそうです。本日は108.55レベルをレジスタンスに108.15レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルはFOMC後のドル買いの動きに沿って売られたものの、前日欧州市場の水準に押す程度に留まっていて、依然として底堅い印象です。ブレグジットについてはユンケル委員長が合意あり、無しどちらの可能性もあるという発言をしてはいますが、8月のジョンソン・メルケル英独首脳会談以降は、EU側が代替案を提示する可能性が高まっているという動きには変化は無さそうです。あとは、それがどのような内容になるか、英国議会がそれを可決するか、にかかってきますので当面はなかなか動きにくい状況です。ポンド要因を外すと欧州も好悪どちらの材料も出てきていますが、ECBが0.1%とFRB0.25%の利下げであったことを考えると、ユーロ買い方向に動きやすい流れにあると考えています。本日は押し目買いの動きを考え、ユーロドルが1.1015〜1.1055、ユーロ円はもみあいを見て119.40〜119.80とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf



配信日:2019年9月19日