デイリーレポート(2021年11月29日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

金曜の金融市場は大荒れの1日となりました。前日木曜のNY引け直後に南アフリカで新型コロナ変異株(後にオミクロン株と命名)が感染拡大していること、詳細はわからないもののワクチンが効かない可能性があることなどのニュースが広がり、株式市場は急落、為替市場はドル安、原油市場も大幅安の1日となりました。

NYダウは一時1000ドルを超える今年最大の下げ幅となり、ドル円は早朝の115.36レベルから113.05レベルへと2円以上もの下げとなり、リスクオフによる円買いの動きがクロス円でも円高の動きとなっていました。

ユーロドルは東京早朝の1.1205レベルから1.1332レベルへとドル円に追随してドル売りの動きとなりましたが、米金利も大幅に低下し、利上げ思惑が後退するなど、世界的にリスクオフの動きが懸念されての週末クローズとなりました。

週末を挟んでまだわからないことが多いという点が多少は懸念を和らげる展開となり、週明けの金融市場は株高、ドル高と先週末のリスクオフの巻き返しの動きとなっています。しかし、世界中で渡航制限の動きが再開し、欧州ではそれ以前に感染者が拡大する中でオミクロン株感染者が見つかるなど不安材料が多く、当面はドルの戻り売りとユーロの戻り売りという動きが出やすくなってくると考えられます。

今週はワクチンの効果やオミクロン株の詳細等色々と出てくると思われますが、あまり楽観的にはなれないと思いますので、本日東京朝方の戻しはあくまでもアヤ戻しという見方でいた方が良いように思えます。

本日は上述したことを考慮し以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  113.20〜113.90
 ユーロ  1.1250〜1.1310
 ユーロ円 127.80〜128.50



配信日:2021年11月29日