デイリーレポート(2021年11月22日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前日の大きな下げに対して調整の1日となりました。上下しながらもじり高となり、NY昼前には114.49レベルまで買われた後にやや押しての引けとなりました。

いっぽうユーロドルも終日じり高の展開となり、ほぼドル円と歩調を揃える値動きとなっていましたが、これはユーロ円が前日の下げを全て回復した動きが大きく影響しました。

今週のドル円は週初から大幅高となったものの115円の大台を前に振り落とされましたが、昨日の動きを見ていると114円割れでは書いたい向きも多く、以前のもみあいを1円ほど上に切り上げてきたというイメージです。

またユーロドルはユーロ円が2日かけての行って来いとなったことから火曜の水準まで水準を切り上げてきています。米国株式市場もダウは戻しが鈍いもののナスダックは史上最高値を更新と、市場によってまちまちな動きとなっていますが、日経平均にリスクオンの動きが出ればユーロ円は一段高となりそうです。

本日は昨日の海外市場でのレンジを中心として、やや底堅い週末前のもみあいを考えておきます。
 ドル円  114.10〜114.50
 ユーロ  1.1340〜1.1380
 ユーロ円 129.75〜130.15ドル円は欧州市場に入るまでは若干底堅い程度で目立った動きは見られませんでした。欧州市場序盤にユーロドルに売りが入り、初めはドル円もドル買いで反応し114.49レベルの高値をつけましたが、ユーロ円での売りも強まったことでドル円も下げに転じ、米金利低下も重なってNY市場朝方には113.88レベルの安値をつけました。引けにかけては緩やかに買い戻しが広がり114円台前半での引けとなりました。

ユーロドルは欧州市場序盤までは静かな動きとなっていましたが、新型コロナ感染者数が増えているドイツでロックダウンも検討していること、オーストリアでは週明けからロックダウンが実施されることといったニュースが嫌気されユーロは対ドル、対円で大きく水準を下げることとなり、それぞれ1.1314レベル、129.05レベルの安値をつけました。しかし、その後ドイツの全土ロックダウンは否定されNY市場では週末前の買い戻しも目立ち、1.13台後半、130円間近の水準に戻して引けました。

ドル円は週を振り返ると115円の大台トライに失敗し、金曜にも買い戻しが出た中で急速に値を崩したことで短期的には115円が遠のいた動きとなっていますが、金曜NY市場で発言したウォラーFRB理事やクラリダ副議長のようにテーパリングペースの加速を支持するFRB関係者も増えつつあり、中期的にはどこかで115円をトライする流れには変化はないでしょう。

いっぽうでユーロは欧州における感染者拡大が景気減速感を強めることとなり、ECBもインフレに懸念しつつも利上げは2023年以降とのスタンスを変えず、ユーロドルは下げ圧力が強まりやすい流れが続いています。本日もドルが下げる局面ではドル買いが出やすいと考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  113.95〜114.45
 ユーロ  1.1245〜1.1305
 ユーロ円 128.30〜129.00



配信日:2021年11月22日