デイリーレポート(2021年11月10日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

本日本文のみとなります。

ドル円は高寄りした日経平均が急速に反転下落する動きとともに円高の動きとなり、ストップオーダーも巻き込んで東京後場には112.73レベルの安値をつけました。その後も上値は重く戻り高値はNY朝方の113.11レベルまでで、引けにかけては112円台後半の狭いレンジでもみあいのまま引けました。

ユーロドルは東京市場ではドル円の下げに引っ張られてユーロドルもやや上昇しましたがユーロ円の下げもあり動きは鈍く、その後も1.1590前後でのもみあいに終始し、1日のレンジも39pipsに留まりました。ユーロ円は東京前場に下げた後はほとんど値動きの無いままで引けています。

ドル円は思いのほかあっさりと113円を割り込んだことに意外感を感じる参加者も多かったようですが、おそらくはドル高を見込んでいた向きのポジション調整が進み、それがテクニカルに反転パターンを形成、ネックラインを下抜けていく動きということで、基本的にはポジション調整が一巡するまでは上値の重たい動きとなってきそうです。

また日経平均が先物を含めて早朝高値で東証が始まると下げるという流れを繰り返していて、これもドル円の戻りを鈍くしている要因です。いっぽうでユーロについては欧州と英国とのアイルランド国境問題はすぐに進展する話ではないもののポンドにとって悪材料。また金融政策面では引き続き英中銀のほうがECBよりも早く緩和縮小に動くことも確実でこちらはポンドの解材料ですが、前回MPCの内容を見る限り、次回MPCでの利上げも不透明です。

ユーロにも方向感が出る材料は見つけにくいものの、緩和の長期化やドイツの政治空白長期化など、どちらかというと中期的な売り材料が目立つというところでしょう。

本日ももみあい継続を考え以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  112.70〜113.10
 ユーロ  1.1570〜1.1610
 ユーロ円 130.65〜131.05



配信日:2021年11月10日