デイリーレポート(2021年10月27日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は金曜に目先の安値をつけたとの見方が広がる中で月曜こそ動きが鈍かったのですが、火曜は世界的に株価が上昇する流れの中で円売りが目立つ展開となりました。NY市場では強い経済指標も手伝って114.31レベルの高値をつけた後、やや押しての引けとなりました。

ユーロドルは東京市場ではドル買いの動きがユーロの上値を抑えていましたが、リスクオンの動きがユーロ円の買いとなっていたことから下げるというほどの動きにはなりませんでした。欧州市場に入り英中銀が来週利上げに踏み切るとの思惑が広がり、ポンド買いとともにユーロドルにも買いが入りましたが、NY市場ではポンド、ユーロともドル買いに押されて日中安値を更新、ユーロドルは1.1585レベルまで下押し後にやや戻して引けました。

ドル円は長期的にはドル高トレンドではあるものの113円程度までの押しが入るかと思っていた参加者も多かったと思います。しかし先週末に113円台半ばで下げ渋り上昇に転じてきたことで短期筋の売り手が買い戻した動きとなりました。材料的にはドル買い一色という感じではあるのですが、想定以上に調整が少ない印象としか言えません。

ユーロドルもドル高の動きと最近ではユーロ圏の盟主であるドイツが政治的な空白期間が長引きそうなことに加え、10〜12月期は景気も減速するという見通しの中で徐々に上値が重くなってきています。当面は戻り売りが出やすい試合が続くものと思われます。

本日は3主要通貨ペアともにやや上値が重たい動きを考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  113.85〜114.25
 ユーロ  1.1570〜1.1610
 ユーロ円 132.00〜132.50



配信日:2021年10月27日