デイリーレポート(2021年8月24日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けのドル円は日経平均上昇と米金利上昇を材料にドル買いが先行し、欧州市場昼頃には一時110.15レベルの高値をつけました。しかし、先週に続いて110円台前半の利食いに押される中、米金利が反転し先週末の水準へと押す動きとともにドル円は109.62レベルと日中安値を更新し、安値圏での引けとなりました。

いっぽうユーロドルは終日ユーロ買いの動きが続きました。欧州市場昼間では日経平均上昇による円売りの動きがユーロ円の上昇にも繋がったと見られますが、米金利とは離れた動きとなりました。NY市場ではドル円とドルの方向を揃えてのドル売りとなりましたが、背景となった米金利低下は週末のジャクソンホールを控えて先週ややタカ派に傾いた市場参加者のポジション調整と言えます。

各所で繰り返し書いていることですが、FRBのスタンス特に議長は発言が一貫し、それに対して市場参加者は思惑で振らされる傾向があり、今回もそのような動きを経てのイベント待ちということになるとすれば、もう少し米金利は定価余地があり、ドル円も109円台半ばから前半程度までの調整が続く可能性があります。

ただ、ドル円とユーロドルでドルの動きが揃ったり、ドル円とユーロ円で円の動きが揃ったりと、その時々で動きが変わりやすくなってきているため、全般的にイベントを前に妙な動きが出やすいとも言えます。ただ、方向性が明確に出てくることは無いでしょうから、基本的にレンジの中で逆張りの動きが出やすいと考えられます。本日もそうしたことからもみあいを考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  109.55〜109.95
 ユーロ  1.1705〜1.1755
 ユーロ円 128.60〜129.00



配信日:2021年8月24日