デイリーレポート(2021年8月19日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場のドル円は動意薄、NZの利上げが無かったサプライズでNZドルに注目が集まっていた様子でした。日経平均が底堅く推移していたことや米金利もジリジリと水準をあげていたこともあって欧州市場以降はドル円はドル買いの動きとなりました。NY市場ではFOMC議事録発表に向け米金利は一段高、ドル円も110円台に乗せていましたが、議事録の内容が年内のテーパリング開始を適切とする内容だったことから米株が下落、その動きとともにドル円にも押しが入っての引けとなりました。

ユーロドルはNY市場まで横ばいとなっていましたが、米金利上昇、ドル円買いの動きに引っ張られてややユーロドルの売りが見られました。議事録発表後の株安の動きによるドル売りからユーロは1.1743レベルの高値をつけたものの、すぐに元の水準へと押し東京朝方の水準での引けとなりました。

FOMC議事録では年内のテーパリング開始が多数であったとのことから、ほぼ市場参加者の思惑と一致した結果になったと言えます。9月FOMCまでは経済指標を見た上で、11月FOMCまでに市場に伝える準備期間をもって11月FOMCでテーパリングを決定というところが中立な見方になると考えられます。

来週のジャクソンホールでは具体的にテーパリングへの言及は無い可能性が高いため、引き続き9月FOMCが最大の焦点になると思います。ただ、金融政策の変更自体は既定路線ではあるものの早朝の為替市場は改めてドル買いで動き、どこまでドル高を試すのかという動きになってきました。ユーロドルの年初来安値一段の更新から、本日は以下のレンジを見ておくこととします。
 ドル円  109.80〜110.30
 ユーロ  1.1660〜1.1710
 ユーロ円 128.40〜128.80



配信日:2021年8月19日