デイリーレポート(2021年8月16日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

木曜の凪相場で油断していた参加者も多かった中、ドル円は週末を前に大きく下げることとなりました。東京市場では全く動かなかったものの、欧州市場序盤に日中安値を下回ると徐々に上値が重くなりNY市場入り。NY市場ではミシガン大消費者信頼感が予想を大きく下回る10年ぶりの悪い結果となったことを受け、米金利が大幅低下ドル前面安となり、ドル円は109.55レベルの安値をつけ安値圏での引けとなりました。

ユーロドルも東京市場では動かず、欧州市場で前日安値を上回ったあたりからドル安の流れが強まりました。NY市場ではドル円と同様に米金利低下によるドル売りからユーロドルは1.1805レベルの高値をつけ、そのまま高値圏での引けとなりました。

東京市場はお盆休み明けとなり、思いのほかドル売りが進んだ状況を見てどうなるかということになりますが、まずは米金利の動きを見てということになるでしょう。8月最終週のジャクソンホールを控えて以前ほど米国金融政策転換への言及があるかもしれないといった期待は無くなり、現状では9月FOMCまでFRBからの新たな言及は無いという見方が主流かと思います。

また9月の数字を見て9月FOMCで議論を重ねとなると次のFOMCは11月2・3日ですから、早くて政策の転換は11月からというところです。しばらくは、為替市場は米金利の動きを見ながらの動きとなりそうです。本日は大きくドルが下げた後の様子見、ただし戻りではドルを売りたい向きが多いという展開を考え、以下のレンジを見ておきます。

 ドル円  109.30〜109.75
 ユーロ  1.1780〜1.1825
 ユーロ円 128.90〜129.35



配信日:2021年8月16日