デイリーレポート(2021年7月28日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はリスクオフによる円高の動きが終日続きました。中国政府は仮想通貨だけでなくIT関連プラットフォーム全般への締め付けを強化していますが、それを嫌気して中国株が連日大幅安、その動きを受けて日経平均も下がり、為替市場では円高という流れです。ドル円は東京早朝の110.39レベルを高値にNY昼頃には109.58レベルの安値をつけ、若干戻しての引けとなりました。

ユーロドルは東京市場ではユーロ円の下げの影響が大きく欧州市場序盤には1.1770レベルの安値をつけました。しかしドル円の下げが大きくユーロドルもドル円のドルの動きに追随しNY後場には1.1841レベルの高値をつけました。引けにかけてはドル円同様にドルが若干買い戻される(ユーロが売られる)動きとなっていました。

上海株価指数は今週に入り3538.01から3380.28まで157.73、率にして4.5%ものさ下となっていますが、2月の年初来高値からは9.4%の下げです。さらに配車アプリ最大手である滴滴が米国上場後に中国政府が行ったアプリ削除などの嫌がらせもあり、ゴールデン・ドラゴン・チャイナ(米国に上場している中国企業のインデックス)は惨憺たる状況です。

こうした一連の中国の動きが新たなチャイナショックとして懸念される状況では株価も円相場もなかなか簡単には戻せないでしょうし、ドル円での円高がドル安をリードするといった流れにつながる可能性も昨日のユーロドルの動きを見ていると考えておく必要があるでしょう。

今夜はFOMCもありますが、パウエルFRB議長の議会証言から考えると今回のFOMCではテーパリングが議題となっても少なくとも次回9月FOMCまで実行に移されることはないはずですから、基本的に大きな動きにはつながらないと考えています。

本日は引き続きドル円の上値が重たい展開を考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  109.55〜110.05
 ユーロ  1.1800〜1.1840
 ユーロ円 129.50〜130.00



配信日:2021年7月28日