デイリーレポート(2021年5月20日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場ではユーロ円等クロス円の円売りが強まり、ドル円は底堅い動きで始まりました。欧州市場では全般的なドル買いの動きとなっていましたが、NY市場に入り株安、ビットコイン急落とリスクオフの動きから一時108.57レベルの安値を付けましたが、引けにかけてはFOMC議事録に一部メンバーによるテーパリング言及があり、下げ幅は行って来いでの引けとなりました。

ユーロドルは東京市場ではユーロ円の買いによる上昇、欧州市場ではドル買いによる下げとなりました。NY市場でのリスクオフによるドル売りの動きへの反応は限定的で、その後のFOMC議事録によるドル買いの動きで1.2160レベルまで押して安値圏での引けとなりました。

ドル円はNY市場での行って来いの動きが目立ちましたが、株式市場以上にビットコインを含めた仮想通貨市場での急落急騰が激しく、ビットコインの対ドルでの値幅は15000ドルを超え、東京寄り付き直後の高値からNYの安値まで35%もの下げを演じました。

ビットコインに限らずこれまで金融市場全般に緩和下でのリスクオンとなっていたことから、市場参加者にも警戒感が高まっていましたが、FOMC議事録で言及されたテーパリングも本来であれば引き締め方向に作用することを考えると、戻す要因というよりも今後の株式市場や仮想通貨市場での上値を抑える要因と考えるほうが自然です。

週末に向けてまだ荒れ模様となりそうな感じもしますので、本日もややリスクオフ方向に動くことを考え、以下のレンジを示しておきます。
 ドル円  108.70〜109.30
 ユーロ  1.2160〜1.2210
 ユーロ円 132.60〜133.10



配信日:2021年5月20日