デイリーレポート(2021年5月12日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は日経平均が大きく下げる動きにもかかわらず米金利上昇の動きを見て東京時間は底堅い動きとなっていました。海外市場に移り日経先物が一段安となる中、ドル円も徐々に値を崩しNY市場朝方には一時108.35レベルの安値をつけました。しかし、雇用統計直後の安値は抜けられず、日経先物に買い戻しが入る動きを見て引けにかけては買い戻しも出ての引けとなりました。

ユーロドルは東京市場では動かず、海外市場に移ってからはドル円同様にドル売りの動きとなったことからNY市場朝方には1.2182レベルの高値をつけ金曜雇用統計後の高値を更新しました。引けにかけてはドル買い戻しの動きとともに欧州市場朝方の水準におして引けています。

米国のナスダックの下げから始まった株式市場における動きはそれまでのリスクオン一辺倒の動きからいったん利食いという動きとなった結果ですが、米国をはじめ先進主要国においてはワクチン接種の拡大による経済活動正常化の動きが進む中で、いまだに非常事態宣言の解除も視野に入らない日本株により売りが入った流れとなった様子です。

ただ円相場には米金利の影響も大きく思ったほどのリスクオフによる円高とはなっていません。今後の可能性として5月末には判断される東京オリンピック開催の最終判断ですが、現時点では黄信号が灯っていることから、もし中止や延期といったことになると日本株がもっとも悪影響を受けるでしょうから引き続き5月相場には注意が必要です。そして最悪の状況では日本売りという動きから為替市場でも円売りという可能性も考えておく必要があるでしょう。

本日も米金利と株式市場の動きを見ながらの展開が続きそうですが、いったんドルの安値も見た感が強く、もみあい入りとなってきたようです。本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  108.50〜109.00
 ユーロ  1.2115〜1.2165
 ユーロ円 131.80〜132.30



配信日:2021年5月12日