デイリーレポート(2019年7月31日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は朝方から日経平均の上昇とともにリスクオンの動きが強まりましたが、高値は108.95レベルまで、109円超えのドル売りオーダーに阻まれる形で、その後は急速に値を崩す株価とともに水準を下げました。日銀会合では予想通りの現状維持となり、このことも若干の円高要因とされたようです。海外市場に移ってからは108.43レベルまで売られたものの前日安値は試しきれず、本日のFOMCを前にして108円台半ばでのもみあいに終止しました。

いっぽうユーロドルは、東京市場ではドル円同様にユーロ円でも売りが目立ったことから上値の重たい展開となっていましたが、海外市場に移ってからは底堅い動きとなり、先週後半からの安値を切り上げる動きを続けました。ただ、じり高とは言っても終日のレンジは30pipsに留まり、欧州通貨の注目はポンドに向かっています。ポンドは合意無き離脱の可能性が高まっていることから1.2119レベルと2017年3月以来の安値をつけています。

ドル円は109円台には売りとストップ買いとが交錯している様子でしたが、結局は試しきれずに下げてきたことで改めて108円台後半の上値の重さを感じさせる結果となりました。本日のFOMCでは0.25%の利下げが織り込まれていることから、利下げ自体より次回以降の追加緩和の可能性にどのように言及してくるのかに注目が集まりそうです。9月以降の利下げの可能性を感じさせるハト派な内容であれば、株式市場は好感して上昇、為替市場は素直にドル売りという反応が考えられますが、タカ派な内容の場合には株式市場が下げ、それを見てのリスクオフと為替市場はいずれにしてもドル売りに反応しやすいと見ています。米中間の通商協議もトランプ大統領の牽制発言を見ていると難航している様子が伺え、これもドル売り材料となりやすそうです。本日は108.75レベルをレジスタンスに108.25レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは、ポンドが大きく動く中で蚊帳の外といった感じもありますが、昨日も書いた通りでドル全般の材料に加え、円材料(ユーロ円)、ポンド材料(ポンド安の動きとユーロポンドの動き)と様々な材料がミックスして方向感が出にくい状況となっています。本日のFOMC後に明日は英中銀MPCも控えていて、動きにくい地合いはしばらく続きそうです。本日はユーロの戻り売りを考えて、ユーロドルが1.1125〜65、ユーロ円は120.75〜121.25のレンジとします。

レポート全文はこちら http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf



配信日:2019年7月31日