デイリーレポート(2020年6月15日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京後場に入ってから堅調な株価に引っ張られてリスクオンの動きとなりました。海外市場に移ってからはダウ先物を中心に株高の動きが継続しドル円は107.55レベルの高値をつけたもののそこまで。NY市場でのダウは改めて上値を抑えられる動きとなり、ドル円も上値は重たいものの引けまで週末前のポジション調整かもあり狭い値幅でのもみあいで引けています。
いっぽうユーロドルも東京市場では後場にユーロ円の買い戻しが目立ったことからユーロドルも上昇。欧州市場序盤にはドイツの減税の話も出て欧州株が強く一時1.1341レベルの高値をつけました。その後はNY市場までもみあいとなっていましたが、実需売りと思われるユーロ売りと英国がEUに移行期間の延期をしないことを表明したことで、ポンド売りとユーロ売り地合いでの週末クローズとなりました。

ドル円は金曜は先週を通して下げてきた動きに対して調整の買い戻しの動きとなりましたが、週末にアトランタで逃走した黒人が警官に射殺され、地元警察トップが辞任、市長も非難するという事件が起きています。当然のように現在進行形のデモは激化し、週初の米国株式市場は続落する懸念が出てきました。早朝の先物市場もギャップダウンして始まっていますので、金曜安値更新は時間の問題に見えます。ドル円、クロス円はリスクオフとなりやすく戻り売りを考え、107.50レベルをレジスタンスに106.90レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは英国が離脱後の移行期間延長が無いことを表明したことが重しとなっていますが、英国の景気も当然のように悪く、今週もしくは次回の英中銀MPCにおける利下げが予想されています。他国の中銀が追加緩和をしていることを考えると、今週の利下げも十分に考えられ、ポンド安の動きがユーロに波及しやすい状況です。金曜NY市場では週間ユーロ安値を更新する動きとなったこと、またユーロ円が株安の影響を受け改めて売りが出やすい流れになってきていることから週初のユーロは戻り売りが出やすいでしょう。ユーロドルが1.1210〜70、ユーロ円は120.20〜121.00のレンジとします。



配信日:2020年6月15日