デイリーレポート(2020年5月13日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前日の上げに対する調整の一日となりましたが、東京前場は株価の上値の重さもあってじり安で始まりました。後場にはいったん買い戻される場面も見られましたが、ユーロも含めて全般的なドル売りの動きに押されたこと、またNY市場ではダウが大幅安となったことから107.12レベルまで下げての安値引けとなりました。

ユーロドルも東京前場にはユーロ円の下げとともに一時的な押しは入りましたが、その後はNY市場朝方まで一貫してユーロ買いの動きが目立ちました。しかし弱いCPI発表直後が1.0885レベルとユーロ高のピークとなり、NY後場は株安の動きがドル円とユーロ円の下げに繋がり、引けにかけては1.08台半ばへと押しています。

ドル円は週初の買いで108円超えにはいまだドル売りが見られたこと、また先週の安値圏から1円80銭近い上昇となったことで、利食い売りも出ていた様子です。テクニカルには105.99から107.77の上げに対しての38.2%押しが107.09となり、ほぼ昨日の安値との一致を見ています。ここからもみあいとなるか、米国の株価次第では半値押しの106.88レベルまでに下げは考えられます。いまだ実体経済には何ら改善が見られない中で、果たして今の株価の水準が続くのかは個人的には難しいように萌えますし、地区連銀総裁は総じて慎重な見方をしていますので、油断は禁物でしょう。本日は戻り売りを考え、107.40レベルをレジスタンスに106.90レベルをサポートする流れを見ておきます。

ユーロドルも月曜の下げに対しての買いという動き自体は同じですが、ユーロ円が先週の安値圏から大きく買い戻される動きとなったこともあって、ユーロドルは週初高値を超え先週火曜の水準にまで戻す動きとなりました。しかし、ユーロも積極的に買う材料があるとも思えず、上がったところでは対ドル、対円ともに改めて売りが出やすい流れになっているという考えには変わりありません。本日はこれらも戻り売りを考え、ユーロドルが1.0825〜75、ユーロ円は116.05〜55のレンジとします。



配信日:2020年5月13日