デイリーレポート(2019年7月1日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場のドル円は殆ど動かず、G20の結果と翌日に米中首脳会談を前にして積極的な動きは見られませんでした。ただ海外市場に写ってからは事前思惑で米中間で何らかの合意が得られるとの期待も大きく、ドルは株価とともにやや底堅い展開を示しました。いっぽうユーロドルも、欧州市場では細かな上下は見られたものの基本的には小動き、こちらもG20と米中会談を見守りたいという週末相場となりました。

G20では米中に配慮した声明となりましたが、やはり米中首脳会談で協議再開となった点が大きかったと言えるでしょう。第4弾の制裁関税は期限を定めず延期、ファーウエイへの禁輸措置も解除とどう見ても中国側に有利な米国の大幅譲歩に思えます。さらには事前準備が無いわけ割りませんが、突然の米朝首脳会談も板門店で行われ、米国大統領として66年ぶりに北朝鮮入り、とこちらも実績よりも政治的なパフォーマンスの面が強かったようですが、これまでの米中、米朝との緊張緩和につながったことは事実です。

週明けの早朝相場はこれらを好感してのリスクオン、円相場も株式市場先物もギャップアップして始まっていますが、今後具体的な協議に写った段階でトランプ大統領が一方的に離席するようなことを繰り返さないという保証もなく、まずはこれ以上の悪化はない、という程度のリスクオンで捉えておいたほうが良いかと思います。特に米中通称協議閣僚級は90%から先には進んできていませんので、それでよいのか、あと数パーセントの詰めなのかは今後も見守ることとなります。

ということで、本日のドル円は底堅いながらも買い上げていくというほどのリスクオンでもありません。早朝相場では50〜60銭程度の円安となっていますが、これ以上のリスクオンを見込むには具体的な進展を見たいと思いますし、長期的に円高トレンドにあることにも変化はありませんので、高いところを買わないように気をつけたいところです。本日は108.15レベルをサポートに108.65レベルをレジスタンスとする流れを見ておきますが、先週高値をあっさりと超えるような動きにはならないと見ています。

ユーロドルは、欧州としての材料に目新しいものももなく、今回のサミットを挟んでも様子見のままの週明け再開です。ここにきて、テクニカルな要因を中心に、トランプ大統領のユーロ安牽制発言も重なってのユーロ買い戻しもいったん終わった缶があありますので、ここから調整を挟み次はとなると、改めて欧州経済の弱さを材料としやすい流れででしょう。結局は週初も方向感は出にくく、もみあい。ユーロドルは1.1345〜95、ユーロ円は底堅い動きでのもみあい、122.85〜123.45のレンジとします。

レポート全文はこちら http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf



配信日:2019年7月1日