デイリーレポート(2024年5月1日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は米金利上昇に支えられ終日じり高、156円台前半から157円台後半へと水準を切り上げました。海外市場では月末実需のドル買いの動きも見られた様子で、金曜終値水準へと戻してFOMC待ちとなりました。

ユーロドルは東京市場では下げ、欧州市場序盤からは買い戻されという動きでしたが、海外市場に移ってからはドル円同様のドル買いの動きが強まり、1.0665レベルまで下げて安値引けとなりました。

本日のFOMC自体は現状維持で確定ですが、その後のパウエル議長会見で年内の緩和時期後退に関して、何らかの言及があるかどうかが注目されます。金利見通しは来月のFOMCを待つ必要がありますが、強い米国の経済指標を反映しコンセンサスは既に2回から1回へと減ってきました。

FRB内でもタカ派コメントが増えてきていることを考えると、来月の見通しを待たずに何らかのヒントが出てくる可能性があります。金利市場はある程度織り込んでいるとはいえ、その場合の為替市場の反応はドル買いということになりそうです。

ドル円は介入が出なければじり高、今夜ではないでしょうが再び160円を目指す流れになりやすいことから、2022年の最初の介入から10月の大規模介入までのドル高の動きのような展開を繰り返す可能性が高く、それに対して当局がどの程度介入をしてくるのかを見ていくことになるでしょう。

なお月曜の介入は円資金の増減予想から5兆円規模と過去最大級の介入が実施されたようですが、既に安値から半値以上戻し、61.8%戻しの158円レベルで止まるかどうか、同水準を超えるようだと160円再トライは早いかもしれません。



配信日:2024年5月1日