デイリーレポート(2024年4月25日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

本日朝の放送内容に代えさせていただきます。

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注目通貨ペア 「ユーロ円の買い」

*ファンダメンタル
 米ドルは緩和思惑の後退で9月からの利下げ、年内2回がCMEのFF先物の取引状況からコンセンサスとなっていることがわかります。5月1日のFOMCでも政策変更は無いでしょう。次に今日明日に開催される日銀会合は現状維持、最近の円安もあり物価見通しの上方修正はありそうですが、追加利上げは年後半と予想されます。つまり絶対的な日米金利差の存在がドル円を底堅くさせています。またECBは既に11日に理事会が行われ、次回6月理事会での利下げ開始がコンセンサスです。
 金利水準、そして時期的なタイミングを考えると6月までは金利水準から米ドル>ユーロ>日本円という強弱の序列をベースにした取引が続きやすい流れです。
 ドル円は介入警戒感はあるもののも155円にあったオプションをこなし、米国の高いインフレ率に対しての遠慮でもあるのか、介入が出ないのではないかという見方も増えつつあります。それでも介入の可能性があるドル円よりも、介入の可能性が無いクロス円、特に6月利下げが既に織り込み済みで下げにくくなっているユーロ円の方が円売りを行うには安心感があります。

*ポジション
 シカゴの通貨先物のポジションでは円売りが約16.6万枚と2007年以来約17年ぶりに大きな円売りサイズとなっている点は警戒すべきでしょうが、現状からすると増えずとも減らずという状況が当面は続きやすいでしょう。
 ユーロのポジションは買いポジションが極端に減り、約1.2万枚と2022年9月に買いに転じてからは最小のポジションサイズです。どちらにも動きうるという見方が正しいですが、買い手にとっては買いやすいでしょう。

*テクニカル
 ユーロ円は昨年12月安値を起点とした平行上昇チャンネルの中での上昇トレンドを継続しています。長期的にはリーマンショック前の高値169.97レベルをターゲットとした動きが続いています。
仮にドル円で介入が出れば絶好の買い場と考える参加者が多く、現状ではドル円よりもユーロ円での買いの方が安心感はありそうです。

*結論
 短期、長期ともにユーロ円の買いは入りやすいと言えますが、全力買いではなく介入があれば追加で買える余裕ある買いが臨みたいところです。なお、明日26日は日柄的に円高に動きやすいため、明日まで待っての買いが良さそうです。



配信日:2024年4月25日