デイリーレポート(2020年1月22日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京前場のドル円はコロナウイルス拡散懸念を背景とした中国株の下げが日経平均にも波及、その動きを見てリスクオフの円買いが先行しました。後場には109.89レベルの安値をつけたものの、NY市場の朝方までは買い戻しも出て110.12レベルへとじり高の動きとなりました。しかし、コロナウイルスの感染が米国でも報告されたとのニュースに改めてリスクオフとなり109.76レベルまで下げた後にやや戻して引けました。

いっぽうユーロドルは東京市場では小動きでしたが、欧州市場序盤に発表された強い経済指標をきっかけにユーロ買いの動きとなり、NY市場朝方には1.1118レベルまでじり高。その後、米国でのコロナウイルス報告がドル円、ユーロ円の下げとなりユーロドルはユーロ円に引っ張られて1.1081まで下げて安値引けとなりました。

ドル円は、リスクオフによる円買いですがコロナウイルスでここまで反応しているということは、それだけ他に材料がないということでもあるでしょう。ただ、中国は1月24〜30日が旧正月で民族大移動を伴う時期でもあります。国内外での人の動きによるウイルス拡散懸念は根強いものがあり、他の好材料が出てこないとこれまでの円安に対する調整が長引く可能性はあります。本日も戻り売りを考え、110.05レベルをレジスタンスに109.70レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは今度はユーロ円の動きの影響が強くなっていますが、コロナウイルス騒ぎが落ち着くまでは、株価の動きを見ながらリスクオフに動きやすい展開が続くと考えられます。本日は戻り売りを想定し、ユーロドルが1.1065〜95、ユーロ円は121.60〜95とします。



配信日:2020年1月22日