デイリーレポート(2024年3月15日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

NY市場までは上下しながらも前日NY市場のレンジ内での動きが続きましたが、日経平均株価の上下に沿った動きだったとも言えます。NY市場では強いPPIに反応しドル買いとなったものの、直後に来週の日銀会合でマイナス金利解除とYCC撤廃の方向との記事に反応し、一時147.43レベルの安値をつけました。しかし、PPI後の米金利上昇ペースが速く、すぐにドル買いの動きへと戻し、148.36レベルの高値をつけ、高値圏での引けとなりました。

ユーロドルは前日NYでつけた高値を目先の高値に若干上値が重たい程度の小動きでNY市場入り。強いPPIを受けた米金利上昇によるドル買いの動きから、1.0881レベルまで水準を切り下げ、そのまま安値引けとなりました。

強いPPI結果を受けて米国の緩和思惑が後退していきそうな流れとなってきました。現時点での利下げ織り込み度を見ると6月利下げが6割ですが、今後の数字次第では7月利下げ開始へと一段と後退する可能性も出てきそうです。

いっぽうで日銀は来週の会合でマイナス金利解除とYCCの撤廃を目指し、市場との対話を始めてきたようです。引き続きメディアでどのような観測記事が出てくるのか、日経電子版を中心に要チェックです。現状はPPI後の米金利上昇でドル買いですが、日銀会合前の大幅なドル高は難しいかと見ています。



配信日:2024年3月15日