デイリーレポート(2024年1月9日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

金曜からの動きを振り返ります。年初から米金利上昇と日銀の出口戦略後退思惑とが重なりドル円は大幅な上昇後に迎えた米雇用統計でしたが、予想よりも強い結果に反応し一時146円目前の水準まで円安が進行しました。しかし週末前ということもあり、その後発表された経済指標をきっかけに米金利が低下、144円割れを見た後に144円台半ばでの引けとなりました。

ユーロドルも金曜は米国雇用統計直後に年始から下げてきた動きに1.087レベルでボトムをつけ、その後急速な買い戻しを挟んでやや押しての引けとなりました。

週明けの月曜は東京市場が休場となったこともあって、NY市場までは144円台半ばでの小動きを続けていました。その後再び米金利が低下し、ドル円は金曜の水準を下回り143.66レベルの安値を見た後に144円台前半に戻して引けています。

ユーロドルもほぼ同様でNY市場までは1.09台半ばでの小動き、NY市場に入り1.0979レベルまで上昇後に、やや押してに引けとなりました。

年初からのドル高の動きは米国雇用統計でいったんピークアウトしたと言えそうです。FOMC議事録は過去のものですし、2024年が緩和への転換となる流れ自体に変化があるとは思えません。能登半島地震も早期の復旧が望まれますし、日銀の判断に影響を与えるのは1月会合までと見られます。

今年の最大のテーマである日米金利差縮小の流れは今後も事あるごとに繰り返され、ドル安・円高への動きが本流となり、戻しの局面では戻り売りが上値を抑えてくる展開が続くと見て良いでしょう。



配信日:2024年1月9日