デイリーレポート(2023年11月8日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前日の流れを継続しNY市場までドル買いの動きとなり、NY朝方にはFRB関係者のタカ派発言も重なって一時150.69レベルの高値をつけました。いっぽうで米金利はそれまでも下げていましたが、発言後も下げ続けていたことから利食いのドル売りも出て150.31レベルへとやや押して引けました。

ユーロドルも基本的にドル円同様で、NY市場までユーロ売り、その後ユーロ買戻しという動きになりました。ユーロ円は欧州市場前場にいったん下押しする場面も見られましたが、その後は買い戻され高値圏でのもみあいが続いています。

ドル円は金曜に直近安値を下抜けられなかったこと、またユーロ円が引き続き2008年来の高値圏に膠着していることもあって、150円台を回復後も底固い値動きとなっています。今週はFRB関係者の発言も多いのですが、昨日はタカ派発言が目立ち、このあたりもドル買い要因となっているようです。

ただ米金利(10年債利回り)は下げ続けていることもあり、長期金利差との相関で考えると積極的に上値を追いかけたくはないというところですが、昨日もNYまで押しが無いままに上げるような動きになったことを考えると、ドルの買い手は出遅れている様子が伺えます。

昨日高値を上抜けると一段高となりそうですが、先週高値圏をトライするほどの材料は無いため、当面は150円台後半をターゲットとした動きが続きそうです。なお、コモディティ市場でも金、原油とも下げているドル全面高状態となっているため、ニュースでも出てこないと下値は固い流れは続くでしょう。



配信日:2023年11月8日