デイリーレポート(2023年9月15日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

昨日はECB理事会を前にしたユーロが主役ということで、上下ともにオーダに挟まれる動きとなり終日のレンジも54銭とドル円にしては静かな値動きの一日となりました。

ユーロドルはコンセンサスは現状維持であったものの今週に入ってから急速に利上げ思惑が広がり、動向はやや現状維持の見方が多いもののほぼ五分五分といった状況でECB理事会を迎えることとなりました。結果は0.25%の利上げ。発表直後も思いの外買われず、声明で金利が十分な水準に達したと利上げ終了と取れる内容だったこと、またラガルド総裁会見でも景気は今後低迷が続くと発言したことで、ユーロドルは発表前の1.07台前半から1.06台前半へと水準を下げ、上値が重たい流れでの引けとなりました。

ドル円は高値圏でのもみあいが続いていますが、ユーロ円もまた理事会後に大きく下げ、戻り売りが出やすい地合いとなっていることからドル円もまた上値が重たい週末を迎えそうです。東京は三連休となることもあって積極的な取引は手控えられそうですが、147円台半ばではポジション調整の売りが出てくる流れです。

ユーロドルは個人的にはサプライズの利上げとなりました。景気低迷については声明やラガルド総裁会見でも出ていましたが、このことが利上げを躊躇させる材料である以上に、足元のインフレを気にしたという結果でした。ラガルド総裁は今後も数字次第との見方を示してはいますが、これで利上げは終了と考えられるでしょう。短期的には欧州の景気低迷を材料にした戻り売りが出やすい流れが続きやすいと言えます。



配信日:2023年9月15日