デイリーレポート(2023年8月8日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けのドル円は東京朝方に仲値に向けてドル売りオーダーが出たこと、欧州市場昼以降にそれまで上げていた米金利が下げる動きが見られたことの2回押しが入った以外は終日じり高の展開をたどりました。金曜雇用統計後の下げに対して調整の買い戻しが入ったと見られます。

ユーロドルは欧州市場前場までは米金利上昇の動きからユーロ売りが先行していましたが、その後はドル円だけでなくユーロ円の買いも強まったことからユーロドルは行って来いでの引けとなりました。

昨日公表された7月日銀会合での主な意見ではYCC修正に関してかなり詳細な説明が示されましたが、緩和継続という部分に市場参加者の反応は厳令されたようです。ただ、コスト・プッシュ・インフレについてもかなり言及されていることを見るとYCCの撤廃は思いの外早い段階で実施され、将来的な出口戦略の検討も前倒しで行われる可能性は今後の日銀政策のテーマとなっていきそうです。

ただ、目先の動きについては底堅い米金利の影響が強く再び143円台半ばを試しに行く流れになりそうです。ユーロドルはユーロ円での円売りの動きが相殺するため基本的に狭い値幅での取引が続くでしょう。



配信日:2023年8月8日