デイリーレポート(2023年4月20日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京前場に実需のドル買いが入り上昇する場面はあったものの欧州市場までは動意薄の時間帯が目立ちました。欧州市場序盤に米金利が上昇し始める動きとともにドル買いの動きが目立ち、日銀がイールドカーブコントロールの修正に慎重とのヘッドラインも出て、欧州市場では一時135.14レベルと135円の大台を上抜けました。しかし、135円台では売りも出たことやユーロドルの買い戻しも入ったことから134円台前半に下押し後に後半へと戻して引けました。

ユーロドルは東京市場から上値が重たい流れとなっていましたが、欧州市場序盤以降は米金利上昇によるドル買いの動きから1.0917レベルの安値をつけました。NY市場では行って来いとなっていたポンドドルに再び買いが強まった動きもあり、ユーロドルは1.09台半ばへと戻し、動きが鈍いままでの引けとなりました。

ドル円が135円台に乗せたのは意外感はあったものの、米金利上昇とYCCに慎重と日米の方向性の違いが動きを加速させました。しかし135円台では売りも構えていたようで、目先の高値をつけた感はあります。

欧州通貨ではユーロドルよりもポンドドルの動きが注目を集めた一日でした。英国CPIが予想よりも強く10.1%となったことから次回のMPCでも利上げという思惑による買いが先行しましたが、その後は行って来いを挟んでの買い戻しと荒っぽい動きをしていました。

為替市場では引き続き各国の金融政策の温度差による強弱となっていますが、最大の材料としては最後の利上げとなるであろう5月4日のFOMCに向けての米金利動向ということになるでしょう。



配信日:2023年4月20日