デイリーレポート(2023年1月12日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は昨日も細かい上下を挟みながらも底堅い展開が続き、NY市場の朝方に132.87レベルの高値をつけました。特に目立った材料も無い中で、当面は日銀の緩和縮小思惑よりも内外金利差拡大の方向に乗った動きと見られます。ただ終日の値幅も80銭程度と動意薄の一日となりました。

ユーロドルも前日に続いて小動きで一日のレンジも51pipsに留まりました。フランス中銀総裁が講演でタカ派な意見を述べた際に一時的にユーロ買いが見られましたが、想定内の発言で大きな動きにはつながりませんでした。

本日朝方に日銀が大規模緩和の副作用点検を行うとの観測記事が出て、ドル円は131円台半ばまで押す動きとなっています。来週18日の会合では特に金融政策の変更は無いという見方が中心ではあるものの、ポスト黒田総裁に向けて着々と出口戦略に向けての議論が水面下では進んでいる様子が伺えます。

実際には何も出てこない可能性はあるものの、既に12月会合で緩和縮小へと舵を切り始めたことは確かですから、少しずつリークしていくことで市場のショックを吸収するという動きと考えられます。こうなってくると、やはりドル円は上がったところでは上値を抑えられるでしょうし、クロス円でも同様の動きが出やすくなると言えそうです。

本日は週初からの動きの修正(円高方向へ)が継続しやすいと考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  131.20〜132.20
 ユーロ  1.0725〜1.0795
 ユーロ円 141.40〜142.15



配信日:2023年1月12日