デイリーレポート(2022年11月8日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けのドル円は東京市場では米金利が上昇する動きとともにドル高、欧州市場では米金利が低下したことからドル安の動きとなりました。金曜安値を下回ったことやユーロドルでのユーロ買いの動きも重なり、一時146.08レベルの安値をつけましたが下げきれず、引けにかけては146円台半ばに戻して引けました。

ユーロドルは東京市場では動かず、欧州市場に入り複数のECB関係者がインフレ率が高すぎると発言したことから金利先高観につながりユーロドルは上昇。米金利の動きとは離れユーロドルはじり高を続け、欧州市場前場にはパリティを回復。その後も底堅い地合いを続け1.0035レベルの高値をつけた後、若干押して引けました。

週初のドル円は目立った材料がない中で東京市場では金曜の下げに対する調整の買い戻しが先行したものの、その後はユーロ高の動きに引っ張られる展開から上値が重くなりました。ただ下値も限定的で方向感がはっきりしない1日となりました。気になったニュースとしては本邦外貨準備の発表がありましたが、この1か月でさらに米国債が約435億ドル売却されていた点です。いざという時のために新たにドル売り介入用の手当てをしたように思えます。ドル上昇局面での介入警戒感は依然として強いということになりそうです。

ユーロドルはインフレ懸念が示されたことによる引き締め継続思惑によるユーロ高と言えますが、テクニカルにレジスタンスを上抜けた後の下押しを挟んで再び上昇の動きとなってきたことによるテクニカルなユーロ買いも強かったように思います。短期的にはユーロが底堅い流れは続きそうです。

本日もややドルの上値が重くなることを考え、以下のレンジとします。
 ドル円  146.10〜147.10
 ユーロ  0.9970〜1.0060
 ユーロ円 146.40〜147.30



配信日:2022年11月8日