デイリーレポート(2022年11月2日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場からNY市場が始まるまで、FOMCを前にした調整と見られる債券買いの動きから10年債利回りは4.05%台から大台を割り込み3.92%台まで低下しました。その動きとともにドル売りの動きが広がり、ドル円も早朝の148.83レベルから欧州市場の146.99レベルまで水準を切り下げました。その後、NY市場に入り発表された経済指標が予想よりも強かったことをきっかけに一転金利上昇の動きとなり、10年債利回りは完全に行って来い、ドル円もNY昼過ぎには148.35レベルまで戻し、148円台前半でもみあいのまま引けました。

ユーロドルも動きはドル円と全く同じで、NY市場まで下げ続けた米金利の動きに引っ張られて0.98台後半から0.99台半ばまで上昇。しかし、その後の金利上昇局面では東京早朝安値を割り込み0.98台半ばまで押した後、やや戻して引けています。

本日はNY後場にFOMCの結果が発表されますが、0.75%の利上げは織り込み済みで政策金利引き上げ自体は影響が無いと見られます。しかし、WSJの観測記事で12月の利上げ幅縮小が議論されるのかどうか、市場参加者の意見も分かれ、12月FOMCに向けての言及があるかどうかが最大の注目材料です。FRBとしては今後の数字次第と明確な方向性は示さない可能性も高そうですが、パウエルFRB議長の発言次第ではNY後場から引けに向けて荒れる可能性があります。

明日の東京市場が休場ということもあり、動き次第では明日のアジア市場にも余波が残るかもしれませんし、3日には英中銀MPCもあり3日の欧州市場もポンドを中心に荒っぽい値動きとなる可能性もあります。本日は予想レンジは示さないでおきますが、ポジションの管理には十分な注意が必要です。

次回の更新は4日金曜となります。



配信日:2022年11月2日