デイリーレポート(2019年10月30日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は日経平均が寄り付き直後に上昇する動きとともに、一時109.07レベルと前日高値を更新しましたが後が続かず、逆に日計りの買いが増えた印象でした。欧州市場序盤にはそうした向きのストップも出て下押しする場面も見られましたがNY市場までに戻す動きに。NY市場では米中通商協議の遅れを示す発言から108.75レベルまで下げましたが、引けにかけてはやや買い戻されて引けました。
いっぽうユーロドルは、東京では動かず欧州市場に入り売りが先行、ドル円とともにユーロ円の売りが出たことから一時、1.1074レベルの安値をつけました、しかし、先週安値をトライしきれなかったこと、また英国で12月総選挙に労働党が同意したことでポンドが上昇、その動きに沿ってユーロも上昇と1.1119レベルまで水準を上げ高値圏で引けています。

ドル円は6月以降の108円台後半から109円台前半の上値の重たさを今回も確認した格好となりました。本日のFOMCを前にいったん買いポジションの調整が出たとも見られますが、利下げはほぼ確実で先物市場では織り込み度が97%にも達していて、本日の利下げがほぼ間違いないこと、また12月の利下げは先物市場でも少数派となっていて、今夜の利下げでいったんこれまでの緩和に終止符が打たれることとなりそうです。そうなると、緩和材料は出尽くしとなり、米国株は利食いが出やすくなるであろうこと、また為替市場では金利差縮小となるため、発表後はドルがやや売られる可能性が高いと見ています。本日はコアレンジを109.00レベルをレジスタンスに108.60レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロはポンド買いからの波及ですが、12月12日総選挙で保守党が有利という現時点での状況が年内のブレグジット協議可決という思惑につながっている様子です。英国の政治は事前の予想がまったくあてにならないことはこれまでもさんざん見てきましたので、決して楽観視はできないと思いますが、今の流れは合意ある離脱の可能性を考えているということです。本日も底堅い動きとなりそうですから、ユーロドルは1.1090〜1.1125、ユーロ円はドル円と打ち消し合ってもみあいを見て120.80〜121.10をコアレンジとします。なお、FOMC直後は一時的に振れる可能性も高いため、注意だけはしておきましょう。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf



配信日:2019年10月30日