デイリーレポート(2022年9月6日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けのドル円はユーロドルがギャップダウンで始まったことからドル買いが先行したものの実需のドル売りも出た様子で仲値過ぎには週末水準まで押しが入りました。その後はじり高となりNY前場には140.66レベルの高値をつけましたが、米国が休場となっていたことから動きは鈍くレンジも57銭に留まりました。

ユーロドルは金曜NY市場でノルドストリームのオイル漏れで再開を延期というニュースが既に入っていたこともあって下げ幅はそれほど大きくは無かったものの、週明けのユーロはギャップダウンで始まることとなりました。欧州市場序盤には0.9878レベルと年初来安値を更新しましたが、欧州市場昼頃には週末安値圏まで値を戻しました。NY時間は米国休場ということもあってほとんど動きは見られないままでした。

ドル円は既に140円割れでの買いが出てきていますが、ドル買い材料はある程度出尽くしていることもあって、140円台後半でのドル買いの勢いはあまり強くありません。テクニカルには140円台半ばはいったん引っかかりやすい水準でもあり、新たなきっかけを待っているというところです。

ユーロドルは事前に懸念もあったことから驚くほどの動きにはなりませんでしたが、ノルドストリーム再開の目処が立たないことで戻り売りが出やすいじあいになってきました。ただ、これまでもピークの2割しか供給されていなかったため、2がゼロになる影響は衝撃的というほどのことでも無いのかもしれません。今後は天然ガスは米国とノルウェーからの輸入を中心に、発電には化石燃料を使っていくことで当面は環境問題は棚上げとなります。

本日は米国市場も再開し、8日のECB理事会とブラックアウト(9月10日〜FOMC当日)前のパウエル議長講演に対する思惑で動いていくこととなりそうですが、トレンドはややドル高基調でいくと見られます。ただ、本日のところは昨日のドル買いで思いのほかドル売りも出ていたため、ドルの戻り売りが出やすいと考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  139.90〜140.65
 ユーロ  0.9910〜0.9990
 ユーロ円 139.30〜140.10



配信日:2022年9月6日