再送: デイリーレポート(2022年7月22日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

昨日の文章が混ざっていたので再送します。

ドル円は日銀会合で予想通り大規模緩和維持が決定されたいっぽうで円安リスクへの言及もあったことで発表直後には138円割れを見ましたが、その後は改めて主要国で日銀だけが緩和を継続することを背景とした円売りが見られました。欧州市場に入り138.88レベルまで高値を切り上げましたが、ECB理事会を前に139円台をトライする動きもなくNY市場入り。ECB理事会の結果はサプライズではあったもののドル円への影響は見られず、その後の10年債利回りが大幅低下し7月6日以来の2.9%割れとなる動きとともに急速に円買いが進み137.29レベルまで売り込まれての安値引けとなりました。

ユーロドルはECB理事会までは1.02前後でのもみあいを続けていましたが、予想を上回る0.5%の利上げに動いたことで直後は1.0278レベルの高値をつけました。しかし利上げを加速するとしながらもラガルドECB総裁が最終的な金利水準は変えないと発言したことで元の水準へと押し、引けにかけては発表前の水準でのもみあいへと戻しました。

ドル円は米金利低下がドル安の要因となりましたが、最近は日米金利差と円相場との相関もほとんど無かったことからポジション調整が主要因であったと考えられます。先週の139円台で短期的には高値を見たと考えられる中で短期筋のドル買いポジションが積み重なって日中安値の下抜けと週間安値の下抜けとでそれぞれストップオーダーが入り込んだ様子です。短期的には押しの限界点を探る上値が重い展開が続きそうです。

ユーロドルは前回の理事会で0.25%と明確に発言していたことを変えてきたことから相当にインフレに対しての懸念が強かったということになりますが、今後の目処としては1.5%水準がピークとなる可能性が高そうです。また新たにイタリアなどでの金利上昇を抑えるTPIという制度の導入を正式に決定し、ユーロ安に対する物価上昇懸念にも言及しています。その後ドラギ伊首相の辞任が決まる悪材料やノードストリーム再開の好材料がミックスして材料の消化不足感を残したままNYは引けています。

本日はドル円は上値が重くユーロは横ばいを考え以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  136.85〜137.85
 ユーロ  1.0150〜1.0240
 ユーロ円 139.60〜140.70



配信日:2022年7月22日