デイリーレポート(2019年10月16日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では108.50よりも上にあるドル売りオーダーを意識しながらももみあいが続きました。欧州市場序盤に中国が米国に対して関税引き下げを求めるとの話に一時下押しする場面も見られましたが、下げも限定的でじり高の中でNY市場入り。NY市場では好決算を背景とした米国株高がリスクオンの動きとなってドル円も金曜高値を上抜けると108.90レベルまで上伸し、高値圏での引けとなりました。
いっぽうユーロドルは、欧州市場序盤に改めて英国とEUの離脱担当相が合意に向け協議が前進しているとの発言にポンドが一段高、その動きにつられてユーロ高となったものの、その後はユーロポンドでのポンド高がユーロを押し下げる展開。しかし、NY市場に入りポンド買いが強まる中でユーロも徐々に水準を戻し、リスクオンでユーロ円にも買いが入ったことから高値圏に戻した後はもみあって引けています。

ドル円は、108円台半ばの売りオーダーをこなし、金曜高値を超えたことでテクニカルにも買いが強まりましたが、米国株が上昇した動きからドル円、クロス円で買いが入ったこと、また確定ではないもののブレグジット協議がまとまりそうとの思惑もまたリスクオン材料となっています。ただ、上昇ペースがやや速いこと、109円台にもドル売りオーダーが見られることから、ここからの一段高はそろそろ警戒すべきであると考えられます。本日は利食い売りも出やすく、米中間の状態も改めて不透明な感じが漂っていますので、昨夜いったん高値をつけたと見て、108.90レベルをレジスタンスに108.40レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは17日からのEUサミットでブレグジットに関しての合意が得られるという思惑が強まり、ポンド高がユーロも下支えしていますが、まだ決まったわけではありませんし、欧州経済も決して強いわけではないことを考えると、特にユーロに関しては先週金曜高値を簡単には上抜けできないと見ています。本日は基本的にもみあいを考え、ユーロドルが1.1000〜50、ユーロ円は120円の大台を見たことで達成感もあり上値が重たい流れを考えて119.50〜120.10とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf



配信日:2019年10月16日