デイリーレポート(2019年10月15日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週末を挟んでの動きを振り返ります。金曜の欧州市場では19日に合意期限を迎えるブレグジットに対し英国とEU双方の離脱担当相から協議進展との話からポンド高、ユーロ高、ユーロ円の買いがドル円の水準を引き上げました。NY市場では
米中通商協議が部分合意となり、ドル円は一時108.63レベルの高値をつけました。しかし残された問題も多いことから引けにかけてはやや押しての引け。ユーロは欧州市場では1.1063レベルまで高値を切り上げましたが、NY市場ではドル買いの動きからやや下押ししての週末クローズとなりました。

月曜は東京市場とNY市場が休場となったことから参加者が少ない中、アジア時間は週末NY市場後場以降の調整の動きを継続し、ドル円はじり安の流れとなりました。欧州市場序盤まで下げが続いたものの、その後は買い戻しが目立ち週明け始値の水準に戻して引けました。いっぽうユーロドルは今週後半のEUサミットに向けブレグジット案が英国議会で通るかといった懸念も示されポンドはNY市場までじり安となる中、ユーロは一時的な上下の動きは見られたものの、方向感無くNYの引けまでもみあいを続けていました。

ドル円は金曜高値が目先の高値となる可能性が強まってきました。昨日のアジア時間に中国からは米中通商協議署名前に更なる協議、NY時間には米国から12月15日までに署名と、明らかに当初の11月署名予定の話が後退しています。状況によっては署名にたどり着かず12月に第4弾の制裁関税発動という可能性もこれまでの経緯から考えるとゼロでは無さそうで、引き続き警戒せずにはいられない状況です。またトルコのシリア北部における攻撃に対して、エルドアン大統領は続行、米国は制裁を課すと、このあたりもリスクオフ要因として捉えられるでしょう。本日のドル円は昨日アジア時間のように上値が重くじり安の展開をたどるものと見て、108.50レベルをレジスタンスに108.05レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは昨日は方向感の無いもみあいに終始しましたが、先週金曜までで目先のブレグジットに対する楽観的な見方を背景とした買いはいったん終了、ここからは英国議会で可決されるかどうかも含め、EUサミットでの合意も含め実際にどうなるのかを見てからの動きとなってきそうです。現時点では合意する可能性が高い様子ですが、ギリギリまで結果はわからないというスタンスでいたほうが良いでしょう。本日も動きにくく基本的にはもみあいを考えますが、ブレグジット関連の発言には注意が必要です。本日はユーロドルが1.1005〜45、ユーロ円はやや上値が重く119.20〜119.65とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf



配信日:2019年10月15日