デイリーレポート(2022年5月11日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

本日、本文のみとなります。

ゴールデンウィークが本格的に明けて通常モードに戻った東京市場のドル円は休み明けの実需買いも入りドル買いが先行してのスタートを切りました。その後は米金利(10年債利回り)が一段高となる動きに沿って欧州市場序盤には131.35レベルの高値をつけました。米金利も欧州市場前場には3.203%まで上昇していましたが一転下げに転じ、ドル円もNY後場には130.11レベルまで水準を下げ、米金利はNY引け間際には金曜の水準を下回る3.028%まで下げました。

ユーロドルはロシアの戦勝記念日でのプーチン演説に警戒感が広がっていたことと、米金利上昇により欧州市場序盤には1.0495レベルと大台を割り込んでいました。しかし、東京時間16時からのプーチン演説はウクライナ侵略を肯定する程度の内容であったことや大台割れの買いも根強く反転。その後はドル円同様に米金利低下の動きからユーロ買い・ドル売りの動きで引けました。

金融市場は先週のFOMC直後には妙な動きを挟みましたが、結局は米金利が今後も大きく上昇する流れには変わりなく、株式市場はそうした流れを嫌気して続落、ロシア制裁と中国のロックダウンによる世界的な景気減速懸念も加わってリスク資産は売りという動きになっています。為替市場は現状では単純に米金利を見た動きとなっていますが、ドル円は131円台で上値が重くユーロドルは1.05割れでの買いが根強くと短期的には迷い気味の動きになってきました。

本日も米金利を見ながらの動きとなりそうですが、昨日の海外市場の流れを受けてドルの上値が重たい地合いとなりそうです。本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  129.60〜130.60
 ユーロ  1.0525〜1.0600
 ユーロ円 137.00〜138.00本日も本文のみとなります。

ドル円は株式市場開始後に日経平均とともに下げる場面も見られましたが130円割れではドル買いオーダーが並んでいたことから反発、その後は130円台前半の狭い値幅でのもみあいが続きました。

ユーロドルは東京昼過ぎまでは底堅い動きとなっていましたが前日高値は超えられず、その後は終日じり安の展開を辿りました。しかし下値も1.0526レベルまでと1.05の大台割れにはまだまだ買いが残っていそうな地合いとなっていました。

昨日は基本的にもみあいが続き、ECB関係者、FRB関係者からタカ派発言はされたものの特に反応は見られず、バイデン大統領のインフレ対策演説も共和党非難に終わり、次は本日の米国CPI待ちという流れになっています。

日柄的には昨日から来週火曜頃まではボラティリティが高くなる傾向があるため、昨日こそ動きは出ませんでしたが経済指標や要人発言で上下に振れる可能性があることには注意しておきたいものです。

本日も基本はもみあい継続と考えていますので、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  129.90〜130.60
 ユーロ  1.0505〜1.0565
 ユーロ円 137.00〜137.60



配信日:2022年5月11日