デイリーレポート(2021年12月30日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京前場の日経平均大幅安にもかかわらず底堅い動きが続き、欧州市場朝方には全般的なドル買いの動きとともに115円台乗せとなりました。その後の欧州市場ではユーロドルが大幅高となり、ドル円も一時ドル安に動く場面も見られましたが114.67止まり。引けにかけてはユーロ円の買いも支えとなって115円間近での引けとなりました。

ユーロドルは欧州市場前場には1.1274レベルの安値をつけていましたが、ロンドン勢が戻っても薄い取引が続く中で月末前の実需のユーロ買いが出たと言われています。米国でのオミクロン株感染拡大で感染者数が過去最大となったことから対ユーロでのドル売りも出ていた様子です。NY昼前には1.1369レベルの高値をつけ、引けにかけては若干下げています。

ロンドン勢が戻ってきたところでユーロドルに動きが出てきましたが、下げた後の上げということもあって、思いのほか大きく反応したようですが、実需の金額自体はそれほど大きいとも思えませんし、月末のロンドンフィキシングもあるため、このままユーロドルが上昇するかはなんとも言えないところです。

米国だけでなく欧州でも感染者数は過去最高レベルとなっていて、死亡者数は少ないものの強化される可能性が高い行動制限が今後の景気回復の足枷になることは確実ですが、米国株はNYダウとS&P500が史上最高値更新とリスクオン全開状態です。こうした動きがドル円、ユーロ円では下支えの材料となっていますが、新値更新による達成感もあり明日の年末を控えて大きな動きが出てくる可能性もありそうです。

なお、当レポートはカレンダー通りで年内は本日が最終。年明けは4日から再開します。今年も1年間ありがとうございました。良い年をお迎えください。



配信日:2021年12月30日