デイリーレポート(2019年8月7日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はNY引け後に米国が中国を為替操作国と認定したことから、株安、円高のリスクオフが先行しました。早朝相場では一時105.51レベルの安値を付けましたが、ダウ先物が夜間取引で反転する動きとともにドル円にも買いが入り、にわかショートが切らされた格好で昼過ぎには107円台乗せとなりました。しかし、米中貿易摩擦の見通しが暗い中、上がったところでは売りたい向きが多く、その後はNYの引けまで106円台半ばを中心として上値の重たい展開が続きました。いっぽうユーロドルは、ドル円の動きに沿って、ユーロ買いが先行後はゆーろはじり安の展開をたどりました。NY前場には1.1167レベルまで下押ししましたが、引けにかけては1.12台を回復しています。

ドル円は、米中間の貿易摩擦激化で本流はリスクオフです。円高だけでなく、金(ドル建て)価格の上昇、安全資産として米国債の買い(金利低下思惑も買い材料)、と今後の進展次第ではどこまで行くのかがわからない状態です。流石に市場の混乱を冷まそうとしたか、中国人民銀行は一方的な人民元安は続かないと述べたり、トランプ大統領も中国との協議を望むといった発言が出ましたが、これまで何度も期待を裏切られてきたことから市場は反応薄でした。またドル円の場合、年初のフラッシュ・クラッシュ安値まではまだ少しの距離を残していることも、テクニカルに今後の戻り売りが出やすい要因となります。本日は戻り売りを考えて、106.60レベルをレジスタンスに、105.90レベルをサポートとします。

ユーロは、ユーロドルはドル安の動きに、いっぽうユーロ円は円高の動きに影響を受けやすく、短期的には方向感が出にくいのですが、ドル円での円一段高懸念や、欧州景気への懸念、ブレグジット問題など長期的にはユーロの上値が抑えられやすい地合いにあると考えられます。本日はユーロドルはもみあいを考え1.1170〜1.1230と1.12台を挟む動き、ユーロ円は下げを基本に見て118.80〜119.40のレンジとします。

レポート全文はこちら http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf



配信日:2019年8月7日