デイリーレポート(2021年5月18日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けの為替市場は全般に鈍い動きとなっていましたが、ECBの早期テーパリング思惑で黄酒市場以降はユーロが底堅い動きとなったことから、ドルの上値が重くなり、ドル円も東京早朝の109.50レベルから欧州市場で109.07レベルまで水準を下げました。その後はNYの引けまで安値圏でもみあいのまま引けています。

ユーロドルは東京市場では動かず欧州市場ではテーパリング思惑でユーロがいた強まったものの1.2169レベルまで。NY朝方にいったん押しは入ったものの引けにかけては改めてユーロ買いが入る流れとなりましたが、値幅は狭く取引も鈍いままでした。

ドル円は109円台前半でのもみあいが続いていますが、大きくは108円台前半の買いと109円半ばの売りに挟まれて方向感がはっきりしない流れのままです。今朝の株式市場寄り付き前に発表されたGDPは予想よりも悪かったものの株は上昇と不思議な動きになっていますが、下がれば日銀がETFを買うという連想のようで、理解に苦しむところです。こうなると株の動きは為替には影響しないでしょうから本日もドル円はもみあい継続となりそうです。108.90レベルをサポートに109.30レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

ユーロはECBのテーパリング思惑が根強いものの実際に動くが出てくるのはまだ先でしょうから、それだけでユーロ買い材料とすることは無理があります。ただ、ユーロドルだけでなくユーロ円は2018年9月以来の高値となっていて、一段高を狙った動きが続いています。大きな動きにはつながりにくそうですが、対ドル、対円とも底堅い展開が続きやすいでしょう。ユーロドルが1.2145〜1.2185、ユーロ円は132.60〜133.10とします。



配信日:2021年5月18日