デイリーレポート(2020年3月6日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は終日株式市場が弱く前日の上昇を全て失う動きとなったことからドル円も着実に水準を切り下げNY引け間際には105円台へと入り込む動きとなりました。新型コロナウイルスの感染者拡大が止まらず、一段の人の移動制限が予想される中で、米長期金利の一段の低下も重なってドル全面安となっています。

いっぽうユーロドルもドル安の流れの中でユーロ買いが進み、1.12台半ばへと近づいての引けとなりましたが、ユーロ円でのリスクオフの動きもあり、ドル安の動きとしてはドル円よりは弱いものとなっています。

ドル円は株安と金利低下がダブルで効いているという状況ですが、ここにきて米国での感染者拡大が米国株式市場に暗い影を落とし、早くもFOMCでの追加利下げを期待するような動きも出ています。今回の新型コロナウイルスは楽観的ではないということは当初からわかっていたはずなのですが、株式市場の理由なき楽観が逆に反動でリスクオフの動きを拡大しているとしか言えません。本日以降、今週の上げ幅をすべて失い更なる株安へと動くリスクも少なからずあることを考えるとドル円も戻り売りが出やすくなるでしょう。本日は106.25レベルをレジスタンスに105.50レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルもドル安の動きとユーロ円での円高の動きが継続しやすいと考えると、ドル円よりはペースは緩やかなものの、ユーロ買いの動きになりやすいでしょう。ユーロドルは1.1210〜70、ユーロ円はもみあいからやや上値の重たい流れを考え118.70〜119.30とします。



配信日:2020年3月6日